バンダイナムコホールディングスとコナミグループの違い
一言でいうと: IPを玩具とゲームに広げるバンダイナムコと、デジタルに集中するコナミグループ
2026年3月期の売上高はバンダイナムコホールディングス1兆3,482億円がコナミグループ4,937億円の約2.7倍ですが、営業利益率はコナミグループが27.5%とバンダイナムコの14.1%の約2倍です。連結従業員数はバンダイナムコ11,457人に対しコナミグループ5,186人で、時価総額は2026年10月30日時点でバンダイナムコ4兆610億円、コナミグループ3兆5,767億円と差が縮まります。
なぜこの2社を比べるのか: 国内エンターテインメント大手同士です。バンダイナムコホールディングスはIPを玩具・ゲーム・映像・施設に多面展開し、コナミグループはデジタルエンタテインメント事業が売上高の約75%を占める集中型です。規模と利益率、IPの使い方の違いを比べます。
バンダイナムコホールディングスの事業の仕組み
バンダイナムコホールディングスの事業はトイホビー、デジタル、映像音楽、アミューズメントの4ユニットです。2026年3月期はガンプラ(ガンダムのプラモデル)をはじめとする玩具・ホビーのトイホビー事業が売上高6,740億円(6,740億円)・セグメント利益1,269億円(1,269億円)で最大の収益源となり、ガンダムシリーズの売上高伸長が寄与しました。家庭用ゲームソフトやスマートフォンゲーム等のデジタル事業は売上高4,766億円(4,766億円)・セグメント利益567億円(567億円)です。
映像音楽事業はアニメーション等の映像制作や音楽コンテンツで売上高955億円・セグメント利益122億円、アミューズメント事業は機器の販売と施設の運営で売上高1,527億円・セグメント利益101億円でした。地域別売上高は日本7,799億円、アメリカ2,292億円、ヨーロッパ1,576億円、アジア1,816億円で、海外合計5,683億円は連結売上高の42.2%です。IPを最適な商品・サービスと地域に展開する『IP軸戦略』をグループ最大の強みとしています。
コナミグループの事業の仕組み
コナミグループの事業はデジタルエンタテインメント、アーケードゲーム、ゲーミング&システム、スポーツ、その他で構成されます。モバイルゲーム、家庭用ゲーム、カードゲーム等を扱うデジタルエンタテインメント事業は、2026年3月期に売上高3,710億円(3,710億円)・セグメント利益1,360億円(1,360億円)と全体の大半を稼ぎます。セグメント利益は会社定義の事業利益ベースです。『プロスピ』『eFootball™』等が同事業のタイトルとして挙げられています。
その他の事業では、スポーツ施設『コナミスポーツクラブ』の運営等を行うスポーツ事業が売上高495億円・セグメント利益34億円、ゲーミング機器とカジノマネジメントシステムのゲーミング&システム事業が売上高431億円・セグメント利益37億円です。アーケードゲーム事業は2025年10月の株式会社コナミアーケードゲームスへの吸収分割に伴い2026年3月期第3四半期から独立した報告セグメントとなり、売上高264億円・セグメント利益68億円でした。地域別の外部顧客への売上高は日本3,520億円、米国842億円、欧州351億円、アジア・オセアニア224億円で、海外売上高比率は約29%です。
| 項目 | バンダイナムコホールディングス | コナミグループ |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆3,482億円(2026年3月期) | 4,937億円(2026年3月期) |
| 営業利益 | 1,895億円(2026年3月期) | 1,359億円(2026年3月期) |
| 営業利益率 | 14.1%(2026年3月期) | 27.5%(2026年3月期) |
| 当期利益 | 1,407億円(2026年3月期) | 1,000億円(2026年3月期) |
| 時価総額 | 4兆610億円(2026-10-30時点) | 3兆5,767億円(2026-10-30時点) |
| PER | 30.7倍(2026-10-30時点) | 35.8倍(2026-10-30時点) |
| ROE | 17%(2026年3月期) | 19.1%(2026年3月期) |
| 自己資本比率 | 72.3%(2026年3月期) | 75.4%(2026年3月期) |
| 有利子負債 | —(未確認) | 399億円(2026年3月期) |
| 現金及び現金同等物 | 4,124億円(2026年3月期) | 3,276億円(2026年3月期) |
| 売上高(予想) | 1兆3,500億円(2027年3月期 通期予想(決算短信)) | 5,830億円(2027年3月期 通期予想(決算短信)) |
| 年間配当 | 73円(2026年3月期) | 221.5円(2026年3月期) |
| 配当利回り | —(未確認) | 1.13%(2026-10-30時点) |
| 平均年収 | 984万円(2026年3月期(提出会社単体の平均年間給与)) | 850万円(2026年3月期(提出会社単体の平均年間給与)) |
| 平均年齢 | 44.6歳(2026年3月期(提出会社単体)) | 35.5歳(2026年3月期(提出会社単体)) |
| 平均勤続年数 | 16.7年(2026年3月期(提出会社単体)) | 10.8年(2026年3月期(提出会社単体)) |
| 従業員数(連結) | 11,457人(連結従業員数(2026年3月期)) | 5,186人(連結従業員数(2026年3月期)) |
| 決算月 | 3月 | 3月 |
| 株主優待 | あり(公式確認) | —(未確認) |
| 創業 | 2005年9月29日 | 1969年 |
| 本社 | 東京都港区芝5丁目37番8号 | 東京都中央区銀座一丁目11番1号 |
| 証券コード | 7832 | 9766 |
対象期は原則として両社とも2026年3月期の数値です。
売上高
営業利益
営業利益率
当期利益
時価総額
PER
ROE
自己資本比率
有利子負債
現金及び現金同等物
売上高(予想)
年間配当
配当利回り
平均年収
平均年齢
平均勤続年数
従業員数(連結)
決算月
株主優待
創業
本社
証券コード
グラフで比べる
2社の違いを読み解く
バンダイナムコホールディングスはトイホビー、デジタル、映像音楽、アミューズメントの4ユニットで構成されます。2026年3月期はトイホビー事業が売上高6,740億円で連結売上高1兆3,482億円の約50%、セグメント利益1,269億円と最大の収益源で、ガンダムシリーズの売上高が大きく伸長したことが増収をけん引しました。デジタル事業は売上高4,766億円・セグメント利益567億円、映像音楽事業は売上高955億円・セグメント利益122億円、アミューズメント事業は売上高1,527億円・セグメント利益101億円です。
コナミグループはデジタルエンタテインメント事業への集中度が高くなっています。2026年3月期の同事業は売上高3,710億円で連結売上高4,937億円の約75%、セグメント利益(事業利益ベース)は1,360億円と、バンダイナムコの最大セグメントであるトイホビーのセグメント利益を上回ります。スポーツ事業は売上高495億円・セグメント利益34億円、ゲーミング&システム事業は売上高431億円・セグメント利益37億円、アーケードゲーム事業は売上高264億円・セグメント利益68億円でした。
成り立ちでは、バンダイナムコが1950年創業のバンダイの前身・株式会社萬代屋と、1955年創業のナムコの前身・有限会社中村製作所が2005年に経営統合して生まれた会社であるのに対し、コナミグループは1969年の創業です。バンダイナムコはIPの世界観や特性を活かす『IP軸戦略』をグループ最大の強みとし、コナミグループは『プロスピ』『eFootball™』等のデジタルエンタテインメントを軸に、2025年10月にはアーケードゲーム事業を独立セグメント化しています。
利益率の置き場を比べると、バンダイナムコはトイホビーの売上高に対するセグメント利益の割合が約18.8%、デジタルが約11.9%と、玩具がゲームを上回ります。コナミグループのデジタルエンタテインメントは同割合が約36.7%(事業利益ベース)と突出して高く、全社の営業利益率27.5%を押し上げています。バンダイナムコがIPを複数の事業に分散して稼ぐ形、コナミグループがデジタル1事業の高利益率で稼ぐ形という、集中と分散の対照が両社の要点です。
違いのポイント
- バンダイナムコのトイホビー事業は2026年3月期に売上高6,740億円・セグメント利益1,269億円で、連結売上高の約50%を占める
- コナミグループのデジタルエンタテインメント事業は売上高3,710億円で連結売上高の約75%、セグメント利益は1,360億円(事業利益ベース)
- 営業利益率はコナミグループ27.5%がバンダイナムコ14.1%を大きく上回る一方、売上高はバンダイナムコ1兆3,482億円が約2.7倍(2026年3月期)
- 海外売上高比率はバンダイナムコ42.2%に対しコナミグループ約29%(2026年3月期)
- コナミグループは2027年3月期予想を2026年10月29日に売上高5,830億円・営業利益1,930億円へ上方修正した
財務と株主還元
規模と収益性では、2026年3月期の連結売上高はバンダイナムコ1兆3,482億円、コナミグループ4,937億円でバンダイナムコが約2.7倍です。営業利益はバンダイナムコ1,895億円、コナミグループ1,359億円と差が縮まり、営業利益率はコナミグループ27.5%がバンダイナムコ14.1%の約2倍となっています。当期純利益はバンダイナムコ1,407億円、コナミグループ1,000億円でした。財務の厚みは両社とも高く、自己資本比率にあたる比率はバンダイナムコ72.3%、コナミグループ75.4%(親会社所有者帰属持分比率)、ROEはバンダイナムコ17.0%、コナミグループ19.1%です。バンダイナムコは売上高・各利益とも過去最高、コナミグループは3期連続で過去最高を更新した期でした。
株主還元と市場評価では、2026年3月期の年間配当はバンダイナムコ73円(配当性向33.6%)、コナミグループ221.50円(同30.0%)です。2026年10月30日時点のスナップショットでは、時価総額はバンダイナムコ40,610億円、コナミグループ35,767億円、PERはバンダイナムコ30.7倍、コナミグループ35.8倍でした。2027年3月期の会社予想は、バンダイナムコが売上高1兆3,500億円・営業利益1,850億円、コナミグループは2026年10月29日に売上高5,830億円・営業利益1,930億円へ上方修正され、配当予想も299円に増額されています。
人と組織
人と組織では、連結従業員数はバンダイナムコ11,457人、コナミグループ5,186人(いずれも2026年3月期)で、バンダイナムコが約2.2倍多くなっています。売上高の差(約2.7倍)より従業員数の差が小さい点は、コナミグループのデジタル集中の構成と対応します。提出会社単体の平均年間給与はバンダイナムコ984万円、コナミグループ850万円で、バンダイナムコの数値は単体従業員80名の持株会社の値です。平均年齢はバンダイナムコ44.6歳に対しコナミグループ35.5歳と9.1歳の開きがあり、平均勤続年数はバンダイナムコ16.7年、コナミグループ10.8年です。
沿革から見る現在地
バンダイナムコホールディングスは、1950年にバンダイの前身である株式会社萬代屋が創業、1955年にナムコの前身である有限会社中村製作所が創業し、2005年9月29日にバンダイとナムコが経営統合して株式移転により共同持株会社として設立されました。2022年にプライム市場へ移行し、2025年4月から中期計画(2025年4月~2028年3月)を開始しています。同計画では最終年度の2028年3月期に連結売上高1兆4,500億円、連結営業利益2,000億円、海外売上高比率50%以上を目標とし、継続的な目標として営業利益率12%以上も掲げています。
コナミグループは1969年に創業しました。2022年7月にコナミホールディングス株式会社からコナミグループ株式会社へ商号変更しています。2025年10月には株式会社コナミアミューズメントのアーケードゲーム事業を新設の株式会社コナミアーケードゲームスへ吸収分割し、アーケードゲーム事業を独立セグメント化しました。玩具会社とゲーム会社の統合でIPの展開先を広げたバンダイナムコに対し、コナミグループは創業以来の事業の積み重ねの中でデジタルへの集中度を高めてきた歩みです。
読むときの注意点
- 会計基準と利益の定義が異なります。コナミグループはIFRSを適用し、セグメント利益は減損損失等を含む営業利益とは別の会社定義の『事業利益』ベースです。そのためデジタルエンタテインメント事業のセグメント利益1,360億円を、バンダイナムコのセグメント利益やコナミグループ自身の営業利益1,359億円とそのまま比べることはできません。またコナミグループの2027年3月期予想は2026年10月29日に上方修正された後の数値で、当初予想(売上高5,050億円・営業利益1,430億円)とは前提時点が異なります。
- 時価総額・PERは2026年10月30日時点のスナップショットで、コナミグループの時価総額・PER・配当利回りは株価と発行済株式数等から算出した算出値とレコードに注記されています。コナミグループの株価は同日に前日比15.02%高の26,385円となっており、予想修正直後の値動きを含んだ時点の数値です。バンダイナムコのレコードには配当利回りの収録値がないため、この原稿でも示していません。
まとめ
まとめると、売上高はバンダイナムコが約2.7倍大きい一方、営業利益率はコナミグループが約2倍高く、時価総額では差が縮まる2社です。バンダイナムコはトイホビーを最大の収益源にIPを4ユニットへ展開し、コナミグループはデジタルエンタテインメント事業が売上高の約75%を占める集中型で高い利益率を上げます。海外売上高比率はバンダイナムコ42.2%、コナミグループ約29%です。IPの広げ方と集中の仕方の違いが数字に表れています。
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数字の出典と確認日は各社の企業ページに記載しています(この比較の確認日: 2026/11/05)。