東京電力ホールディングスと関西電力の違い
一言でいうと: 首都圏の東京電力HDと、原子力7基の関西電力
営業収益は東京電力ホールディングス6兆3,286億円が関西電力4兆566億円の約1.6倍(2026年3月期)ですが、営業利益は関西電力4,376億円が東京電力HD3,377億円を上回り、営業利益率は10.8%対5.3%です。当期純利益は関西電力が3,801億円の黒字の一方、東京電力HDは4,543億円の純損失で、配当も関西電力75円に対し東京電力HDは無配です。
なぜこの2社を比べるのか: ともに各地域最大の電力会社で、首都圏と関西圏への供給を担います。規模では東京電力HDが大きい一方、2026年3月期の最終損益と配当で対照が出た2社を、事業の仕組みと財務の違いから比べます。
東京電力ホールディングスの事業の仕組み
東京電力ホールディングスは東京電力グループの持株会社で、事業はグループ各社が担います。小売電気事業は東京電力エナジーパートナーが首都圏を中心に電気・ガスを販売し、一般送配電事業は東京電力パワーグリッドが送配電ネットワークを運営します。燃料・火力発電事業は東京電力フュエル&パワーが燃料調達と火力発電を担い(JERAへの事業統合を含む)、再生可能エネルギー発電事業は東京電力リニューアブルパワーが水力・太陽光・風力などの発電を行います。
2026年3月期の連結営業収益は6兆3,286億円(6兆3,286億円、↓ 前期比-7.1%)です。ただしレコードでは、4つの事業領域いずれについてもセグメント別の営業収益・セグメント利益は確認できなかったため数値を記載しないとされており、どの事業がどれだけ稼いでいるかは本ページのデータからは読み取れません。事業の姿は分社体制の構成で捉え、規模は連結全体の数字で読むことが前提になります。
関西電力の事業の仕組み
関西電力の報告セグメントは、エネルギー事業、送配電事業、情報通信事業、生活・ビジネスソリューション事業の4つです。2026年3月期のエネルギー事業の外部売上高は3兆2,614億円(3兆2,614億円)で、連結営業収益4兆566億円の80.4%を占め、残りの約2割を送配電、情報通信、生活・ビジネスソリューションが分け合う構成です。原子力では福井県内の美浜・大飯・高浜の3発電所で計7基を運転するとレコードに記されています。
セグメント別の利益はレコードで確認できなかったため記載されていませんが、連結の営業利益は4,376億円、経常利益は5,185億円でした。一般送配電事業は関西電力送配電株式会社が担い、本体から分社化されています。会社概要ではガス・情報通信も展開する関西圏の電力会社とされ、エネルギー事業への集中度が高い一方で、電力以外の事業もセグメントとして持つ構成です。
| 項目 | 東京電力ホールディングス | 関西電力 |
|---|---|---|
| 売上高 | 6兆3,286億円(2026年3月期) | 4兆566億円(2026年3月期) |
| 営業利益 | 3,377億円(2026年3月期) | 4,376億円(2026年3月期) |
| 営業利益率 | 5.3%(2026年3月期) | 10.8%(2026年3月期) |
| 当期利益 | -4,543億円(2026年3月期) | 3,801億円(2026年3月期) |
| 時価総額 | 7,402億円(2026-10-30時点) | 2兆9,400億円(2026-10-30時点) |
| PER | —(未確認) | 7.66倍(2026-10-30時点) |
| ROE | -12.7%(2026年3月期) | 11.7%(2026年3月期) |
| 自己資本比率 | 21.8%(2026年3月期) | 35.1%(2026年3月期) |
| 有利子負債 | —(未確認) | 4兆2,666億円(2026年3月期) |
| 現金及び現金同等物 | 9,367億円(2026年3月期) | 7,413億円(2026年3月期) |
| 売上高(予想) | —(未確認) | 4兆5,000億円(2027年3月期 通期予想(決算短信)) |
| 年間配当 | 0円(2026年3月期) | 75円(2026年3月期) |
| 配当利回り | 0%(2026-10-30時点) | 3.06%(2026-10-30時点) |
| 平均年収 | —(未確認) | 939万円(2026年3月期(提出会社単体の平均年間給与)) |
| 平均年齢 | —(未確認) | 42.4歳(2026年3月期(提出会社単体)) |
| 平均勤続年数 | —(未確認) | 19.4年(2026年3月期(提出会社単体)) |
| 従業員数(連結) | 38,341人(連結従業員数(2026年3月期)) | 32,482人(連結従業員数(2026年3月期)) |
| 決算月 | 3月 | 3月 |
| 創業 | —(未確認) | 1951年5月1日 |
| 本社 | —(未確認) | 大阪府大阪市北区中之島三丁目6番16号 |
| 証券コード | 9501 | 9503 |
対象期は原則として両社とも2026年3月期の数値です。
売上高
営業利益
営業利益率
当期利益
時価総額
PER
ROE
自己資本比率
有利子負債
現金及び現金同等物
売上高(予想)
年間配当
配当利回り
平均年収
平均年齢
平均勤続年数
従業員数(連結)
決算月
創業
本社
証券コード
グラフで比べる
2社の違いを読み解く
東京電力ホールディングスは、東京電力グループの持株会社です。グループでは、小売電気事業を東京電力エナジーパートナーが首都圏を中心に担い、一般送配電事業を東京電力パワーグリッド、燃料・火力発電事業を東京電力フュエル&パワー(JERAへの事業統合を含む)、再生可能エネルギー発電事業を東京電力リニューアブルパワーが担う分社体制です。2026年3月期の連結営業収益は6兆3,286億円でした。なおレコードでは各事業のセグメント別営業収益・利益は確認できなかったとして数値が記載されておらず、事業別の内訳は追えません。
関西電力の報告セグメントはエネルギー事業、送配電事業、情報通信事業、生活・ビジネスソリューション事業の4つで、2026年3月期のエネルギー事業の外部売上高は3兆2,614億円と、連結営業収益4兆566億円の80.4%を占めます。福井県内の美浜・大飯・高浜の3原子力発電所で計7基を運転していることがレコードに記されています。一般送配電事業は2020年に関西電力送配電株式会社へ承継し分社化されました。電力以外にもガス・情報通信を展開するとされています。
両社の前提条件の違いが大きい点も読みどころです。東京電力HDは、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が種類株式を含めて議決権の54.75%を保有する大株主となっており、賠償・廃炉等の負担が経営の前提条件になっているとレコードに記されています。発行済普通株式数は1,607,017,531株(2026年9月30日時点)です。関西電力は1951年5月1日に電気事業再編成により設立され、大阪市北区中之島に本店を置きます。2026年4月には「関西電力グループ 経営計画2026」を策定しています。
数字を比べると、2026年3月期は明暗が分かれました。営業利益は東京電力HDが3,377億円、関西電力が4,376億円、経常利益は東京電力HD4,173億円、関西電力5,185億円です。最終損益では関西電力が親会社株主に帰属する当期純利益3,801億円を計上した一方、東京電力HDは当期純損失4,543億円と最終赤字になり、ROEは関西電力11.7%、東京電力HD-12.7%でした。総資産は東京電力HD15兆5,756億円と関西電力9兆8,546億円の約1.6倍ですが、自己資本比率は関西電力35.1%が東京電力HD21.8%を上回ります。
違いのポイント
- 東京電力HDの2026年3月期は営業収益6兆3,286億円・営業利益3,377億円の一方、当期純損失4,543億円でROE-12.7%
- 関西電力は営業収益4兆566億円に対し営業利益4,376億円・営業利益率10.8%で、規模の小さい側が営業利益で上回る
- 関西電力のエネルギー事業は外部売上高3兆2,614億円で連結営業収益の80.4%を占める
- 自己資本比率は関西電力35.1%・東京電力HD21.8%、総資産は東京電力HD15兆5,756億円が関西電力9兆8,546億円の約1.6倍
- 配当は関西電力が年間75円(配当性向22.0%)、東京電力HDは2026年3月期が無配(年間0円)
財務と株主還元
2026年3月期の収益力は関西電力が上回ります。営業収益は東京電力HD6兆3,286億円↓ 前期比-7.1%、関西電力4兆566億円↓ 同-6.5%と両社とも減収でしたが、営業利益は関西電力4,376億円が東京電力HD3,377億円を上回り、営業利益率は10.8%対5.3%です。経常利益は関西電力5,185億円、東京電力HD4,173億円。当期純利益は関西電力が3,801億円の黒字、東京電力HDは4,543億円の純損失で、ROEは11.7%と-12.7%に分かれました。財務では総資産が東京電力HD15兆5,756億円、関西電力9兆8,546億円の一方、自己資本比率は関西電力35.1%が東京電力HD21.8%を上回ります。関西電力の有利子負債は4兆2,666億円と前期末から減少し、現金及び現金同等物は東京電力HD9,367億円、関西電力7,413億円でした。
株主還元では対照が際立ちます。関西電力の2026年3月期の年間配当は75円(中間30円+期末45円)で配当性向22.0%、2027年3月期は年間80円への増配を予想しています。東京電力HDの2026年3月期の配当は年間0円(無配)で、業績予想もレコードに掲載がありません。2026年10月30日時点のスナップショットでは、時価総額は関西電力が約29,400億円と東京電力HDの7,402億円を上回り、PERは関西電力7.66倍(算出値)、配当利回りは3.06%(2027年3月期予想配当80円による算出値)でした。関西電力の2027年3月期の会社予想は営業収益4兆5,000億円、営業利益2,500億円、当期純利益3,100億円です。
人と組織
人の数字は開示範囲が異なります。連結従業員数は東京電力HDが38,341人、関西電力が32,482人(いずれも2026年3月期)で、営業収益の規模差(約1.6倍)ほどには開きがありません。関西電力については、提出会社単体の平均年間給与939万円、平均年齢42.4歳、平均勤続年数19.4年、単体従業員数8,336人という値がレコードにありますが、有価証券報告書の転載集計値でありEDINET原文での直接確認はできていないと注記されています。東京電力HDのレコードには平均年収・平均年齢の掲載がなく、年収面の比較はできません。
沿革から見る現在地
関西電力は1951年5月1日、電気事業再編成により設立され、大阪府大阪市北区中之島に本店を置きます。2020年には一般送配電事業を関西電力送配電株式会社へ承継して分社化し、2026年4月に「関西電力グループ 経営計画2026」を策定しました。設立以来の歩みの中で、送配電の分社化という制度対応が近年の節目としてレコードに残っています。
一方、東京電力ホールディングスのレコードに収められた沿革は、2022年に東京証券取引所プライム市場へ移行したことの一項目のみで、設立年や本店所在地もレコード上は空欄です。確認できるのは持株会社としての現在の体制と、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が議決権の54.75%を保有するという株主構成であり、歩みの対比は関西電力側の記録を中心に読むことになります。両社とも送配電事業を担う子会社を持つグループ体制を取る点は共通しています。
読むときの注意点
- 東京電力HDの2026年3月期の数値は、決算短信の転載転記で確認されたもので、原文PDFは確認できていないとレコードに明記されています。また同社の時価総額7,402億円は株価に発行済普通株式数を掛けた算出値で種類株式を含まず、PERは当期純損失のため未記載です。関西電力のPER・配当利回り・時価総額も算出値や概数とされており、市場データはいずれも2026年10月30日時点のスナップショットとして読んでください。
- 事業別の内訳の開示範囲も異なります。関西電力はエネルギー事業の外部売上高が示される一方、東京電力HDはセグメント別数値が未確認で、両社ともセグメント利益はレコードにありません。関西電力の年収等の単体指標は転載集計値です。確認できていない項目は推測で埋めず、連結全体の数字と体制の違いを中心に比べることが前提になります。
まとめ
まとめると、東京電力HDは営業収益6兆3,286億円・総資産15兆5,756億円と規模で関西電力を上回りますが、2026年3月期は当期純損失4,543億円・無配となり、賠償・廃炉負担と支援機構による54.75%の議決権保有が経営の前提にあります。関西電力は営業収益4兆566億円ながら営業利益率10.8%、自己資本比率35.1%、年間配当75円と、収益力と還元で対照を見せました。規模の東京電力HD、2026年3月期の収益と財務の関西電力という対照が要点です。
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数字の出典と確認日は各社の企業ページに記載しています(この比較の確認日: 2026/11/05)。