数字の要点
通期予想に対する進捗
中間期の売上高1兆783億円 ÷ 上方修正後の通期予想2兆1,200億円
中間期の営業利益656億円 ÷ 通期予想1,600億円
中間期の親会社の所有者に帰属する中間利益734億円 ÷ 通期予想1,600億円
- 売上高1兆783億円は中間期として過去最高で、営業利益は656億円と↑ 前年同期比56.4%増えました。営業利益率は6.1%(656億円÷1兆783億円、当サイトの計算)です。ただし第2四半期単独(7〜9月)では営業利益が前年同期比で減益だった点も、短信の数値から読み取れます。
- 通期予想は売上高のみが従来の2兆800億円から2兆1,200億円へ400億円引き上げられ、営業利益1,600億円などの利益予想は据え置かれました。据え置かれた利益予想には、ケミカル事業の譲渡益約150億円を見込む旨が修正開示で説明されています。
- 会社は増収増益の牽引役として、AIデータセンター向けの半導体パッケージや半導体製造装置向けファインセラミック部品、MLCCやタンタルコンデンサの販売拡大を挙げています。一方で、GaNデバイス事業の減損損失など一時損失も計上されています。
- 配当は中間28円、期末予想28円の年間56円で、配当予想の修正はありません。前期の年間52円からは4円の増配見込みで、今期からは配当指標としてDOE(株主資本配当率)と累進配当を導入するとしています。
京セラの2027年3月期中間期(2026年4月1日〜9月30日)の連結業績は、売上高1兆783億円↑ 前年同期比8.8%増、営業利益656億円(同56.4%増)、税引前利益930億円(同36.9%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益734億円(同32.2%増)でした。売上高は中間期として過去最高とされています。基本的1株当たり中間利益は56.73円でした。資産合計は4兆5,974億円、資本合計は3兆2,941億円で、親会社所有者帰属持分比率は71.1%です。中間期末の現金及び現金同等物は4,365億円でした。通期予想は、売上高が上方修正された一方で利益予想は据え置かれており、修正の内容が売上と利益で異なる点が今回の開示の特徴です。
セグメント別の動き
セグメントの値は、短信の定性説明に基づく億円単位の概数であり、百万円単位の厳密な値ではないため、ここでは概数として示します。コアコンポーネントは売上高が約3,681億円〜3,682億円↑ 前年同期比19.7%増、事業利益が約504億円〜505億円(同68.1%増)程度でした。そのうち半導体関連部品は売上高2,211億円(同24.7%増)、事業利益314億円(同64.7%増)です。電子部品は売上高が約2,152億円〜2,153億円(同23.2%増)、事業利益が約195億円〜196億円程度で、前年同期の事業利益17百万円から大きく回復しました。ソリューションは売上高が約5,037億円〜5,038億円(同2.9%減)、事業利益が約569億円〜570億円(同50.9%増)程度でした。ソリューションの減収には、米国機械工具子会社の譲渡による影響が含まれます。
通期予想の修正と配当
通期(2027年3月期)の業績予想は、同日に別途開示された修正により、売上高が従来予想の2兆800億円から2兆1,200億円へ400億円引き上げられました。営業利益1,600億円、税引前利益2,000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,600億円の利益予想は、2026年7月30日公表の従来予想から変更ありません。修正開示では、据え置かれた利益予想にケミカル事業の譲渡益約150億円を見込む旨が説明されています。配当は中間28.00円(支払開始予定は2026年12月7日)、期末予想28.00円で、年間予想は56.00円です。直近公表の配当予想からの修正はなく、前期の年間52.00円(中間25.00円・期末27.00円)から4円の増配見込みとなりました。今期からは配当指標としてDOE(株主資本配当率)と累進配当を導入するとしています。株式分割はありません。
会社自身の説明
短信で会社は、コアコンポーネントではAIデータセンター向けの高付加価値な半導体パッケージや、半導体製造装置向けファインセラミック部品の販売が増えたこと、電子部品ではAIデータセンター向けの小型高容量MLCCやタンタルコンデンサの販売拡大と収益性の改善があったことが、増収増益を牽引したと説明しています。ソリューションについては、前期第4四半期の米国機械工具子会社の譲渡により約707億円の減収影響があり、これを除けば増収だったとしています。一方で、GaN(窒化ガリウム)デバイス事業の減損損失約295億円や、エネルギー関連製品の引当金約76億円など、一時損失約341億円(ネット)が計上されましたが、高付加価値製品の増収効果などがこれを上回ったと会社は説明しています。
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出典
京セラ株式会社 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年11月2日) 一次資料(2026/11/05確認)。数値はこの資料の記載値です。