数字の要点

売上高1兆3,987億円​↑ 前年同期比+17.5%
営業利益882億円​↓ 前年同期比△9.7%
経常利益857億円​↓ 前年同期比△10.0%
親会社株主に帰属する中間純利益671億円​↓ 前年同期比△11.8%
中間配当(普通株式)30円前年同期は実施なし/年間予想 ​60円

通期予想に対する進捗

売上高の進捗48.7%

中間期の売上高​1兆3,987億円 ÷ 修正後の通期予想​2兆8,700億円

営業利益の進捗58.8%

中間期の営業利益​882億円 ÷ 通期予想​1,500億円

当期純利益の進捗67.8%

中間期の親会社株主に帰属する中間純利益​671億円 ÷ 修正後の通期予想​990億円

読み解きのポイント
  • 通期予想の修正は非対称です。売上高は前回予想の​2兆7,700億円から​2兆8,700億円へ​1,000億円引き上げられた一方、営業利益は​1,500億円で据え置かれ、経常利益は​1,370億円から​1,390億円へ、純利益は​960億円から​990億円への小幅な引き上げにとどまりました。増収分が利益にそのまま結びつかない前提です。
  • 修正の前提も大きく変わっています。米ドル円は前回前提の​155円から​160円へ、ドバイ原油は75米ドルから90米ドルへ、シンガポール・ケロシンは90米ドルから150米ドルへ引き上げられ、燃油コストの見通しが重くなっています。
  • 航空事業の増収には前年に連結子会社となったNCA(日本貨物航空)の収入が加わっています。NCAの貨物収入は​1,007億円​↑ 前年同期比187.7%増で、国際線旅客収入​4,920億円(同21.2%増)と並ぶ増収要因です。短信は航空事業について、増収の一方で燃油費等の増加により減益だったと説明しています。
  • 進捗率では当期純利益が​67.8%と最も高く、営業利益も​58.8%と、売上高の​48.7%を上回ります。ただし通期の営業利益予想自体が​↓ 前期比31.0%減の水準に置かれている点とあわせて見る必要があります。

ANAホールディングスの2027年3月期中間期(2026年4月〜9月)の連結業績は、売上高​1兆3,987億円​↑ 前年同期比17.5%増、営業利益​882億円(同9.7%減)、経常利益​857億円(同10.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益​671億円(同11.8%減)でした。​1株当たり中間純利益は​145.91円(潜在株式調整後129.54円)、自己資本比率は​36.7%、総資産は​3兆8,911億円、包括利益は​480億円(同41.2%減)でした。短信では業績予想の修正が同時に公表され、修正は「有」とされていますが、引き上げられたのは主に売上高で、営業利益は据え置かれています。

セグメント別の動き

セグメント別(売上高/営業利益、億円、セグメント間取引を含む)では、航空事業が​12,892億円​↑ 前年同期比19.2%増/​801億円(同15.8%減)と増収減益でした。内訳では国際線旅客収入が​4,920億円(同​21.2%増、旅客数​4,672,567人で同​8.7%増、利用率​83.3%で3.0ポイント上昇)、国内線旅客収入が​3,703億円(同​1.0%増、旅客数​22,574,619人、利用率​78.4%)、Peachの収入が​817億円(同24.6%増)です。航空関連事業は​1,898億円(同9.2%増)/​104億円(同164.9%増)と大幅増益、旅行事業は​319億円(同5.5%減)/​9億円(同221.1%増)、商社事業は​753億円(同3.3%増)/​29億円(同18.9%減)、その他は​251億円(同9.5%増)/​14億円(同3.2%増)で、セグメント間取引の消去は売上高△​2,128億円/営業利益△​77億円でした。

通期予想の修正と配当

通期予想は修正され、売上高​2兆8,700億円​↑ 前期比13.0%増、営業利益​1,500億円(同31.0%減)、経常利益​1,390億円(同36.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益​990億円(同41.4%減)、​1株当たり当期純利益​214.79円となりました。前回発表予想は売上高​2兆7,700億円・営業利益​1,500億円・経常利益​1,370億円・純利益​960億円で、増減額は売上高+​1,000億円、営業利益は変更なし、経常利益+​20億円、純利益+​30億円です。修正の前提は米ドル円​160円(前回155円)、ドバイ原油90米ドル(同75米ドル)、シンガポール・ケロシン150米ドル(同90米ドル)へ変更されました。配当は普通株式で中間​30円(前年同期は実施なし)、期末予想​30円、年間合計予想​60円で、前期年間実績​65円(期末のみ)を下回りますが、配当予想からの修正は「無」です。第1回社債型種類株式は中間​87.50円、期末予想​87.50円、年間予想​175円です。

会社自身の説明

短信は「航空事業を中心に増収となったことから売上高は​1兆3,987億円となりましたが、燃油費の増加等により営業利益は​881億円、経常利益は​856億円、親会社株主に帰属する中間純利益は​670億円となり、前年同期と比べて減益となりました」と説明しています。航空事業は旺盛な訪日需要やレジャー需要で国際線旅客が好調だったほか、前年に連結子会社となったNCA(日本貨物航空)の収入が加わったこと等で増収となり、費用面で燃油費等が増加して減益だったとしています。航空関連事業は国際エクスプレス貨物の取扱高増や外国航空会社からの機内食関連業務受託増で増収増益、旅行事業は欧州方面が好調だった一方でハワイ・国内ダイナミックパッケージが伸び悩んで減収となり、コストマネジメントで増益だったと説明しています。セグメント説明内では、全日空商事による株式会社AKOMEYA TOKYOの完全子会社化を9月に決定したこと、貨物​3社を2027年4月1日(予定)に統合し新ブランド「ANA Nippon Cargo」とすることも記載されています。

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