数字の要点
通期予想に対する進捗
中間期の売上収益7,793億円 ÷ 通期予想1兆8,800億円
中間期の営業利益1,150億円 ÷ 通期予想2,700億円
中間期の親会社の所有者に帰属する中間利益850億円 ÷ 通期予想1,850億円
- 営業利益の大幅な増益は、民間向け航空エンジンの需要拡大に加え、不動産譲渡利益426億円の計上が押し上げた面が大きい。短信では不動産売却を除く営業利益も723億円(前年同期656億円)と示されており、本業ベースでも増益だったことが分かる
- セグメント利益では航空・宇宙・防衛が722億円と最大で、前年同期の547億円から拡大した。一方、その他セグメントの利益457億円には不動産売却益が含まれ、資源・エネルギー・環境は7億円の利益(前年同期は1億円の損失)、社会基盤は44億円の損失と事業ごとに明暗が分かれた
- 通期予想の上方修正と期末配当の増配を同時に打ち出した一方、受注高は↓ 前年同期比12.8%減の7,787億円にとどまった。中間期の好業績と受注の弱さが併存する構図で、下期以降の受注回復が焦点になる
- ドイツ子会社Steinmüller Engineeringの全持分譲渡に伴い、譲渡完了で発生する127億円を当中間期のその他の費用に計上した。営業キャッシュ・フローは650億円の支出超過で、利益の伸びに対してキャッシュ面はマイナスだった
IHIの2027年3月期中間期(2026年4月〜9月)の連結業績は、売上収益7,793億円↑ 前年同期比9.2%増、営業利益1,150億円(同65.6%増)、税引前中間利益1,228億円(同64.3%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益850億円(同52.0%増)だった。基本的1株当たり中間利益は80.17円。中間期末の資産合計は2兆5,410億円、親会社所有者帰属持分比率は28.4%だった。前期に複数の事業譲渡を行った影響で減収要因があったものの、成長事業の拡大がそれを上回り増収を確保した。
通期業績予想は中間期の実績を踏まえて上方修正された。売上収益は1兆8,800億円↑ 前期比14.4%増、営業利益は2,700億円(同63.1%増)、税引前利益は2,600億円(同40.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,850億円(同14.9%増)、1株当たり当期利益は173.88円を見込む。第3四半期以降の為替前提は1米ドル=150円としている。中間期実績の通期予想に対する進捗率は、売上収益で41.5%、営業利益で42.6%(当サイトの計算)で、下期偏重の計画になっている。
セグメント別の動き
セグメント別では、航空・宇宙・防衛が外部顧客への売上収益3,338億円、セグメント利益723億円と最大で、前年同期の利益547億円から大きく伸びた。民間向け航空エンジンの需要拡大が寄与した。産業システム・汎用機械は売上収益2,055億円、利益114億円と、前年同期の利益170億円から減益だった。資源・エネルギー・環境は売上収益1,779億円、利益8億円で、前年同期の損失1億円から黒字に転じた。社会基盤は売上収益393億円、損失44億円だった。その他は売上収益228億円、利益458億円で、前年同期の69億円から跳ね上がったが、これには不動産売却益426億円が含まれる。会社は不動産売却を除いた営業利益も723億円(前年同期656億円)と開示しており、売却益を除いても増益だった。
配当・株主還元
中間配当は前回発表どおり1株当たり11.5円の実施を取締役会で決議した。期末配当予想は前回発表の配当予想から2円増配の13.5円とし、中間とあわせた年間配当予想は25円となった。なお、同社は2025年10月1日に1株を7株に分割する株式分割を実施しており、前期の配当は分割を反映すると第2四半期末10円・通期20円相当になる。
会社自身の説明
会社は営業利益の増益について、民間向け航空エンジンの需要拡大、国内カーボンソリューション・原動機のライフサイクルビジネスの拡大、および不動産譲渡利益の計上が要因だと説明した。通期予想の修正は、民間向け航空エンジン事業やライフサイクルビジネスの実績などを踏まえたものとしている。一方で当中間期の受注高は7,787億円と↓ 前年同期比12.8%減だった。また、ドイツ子会社Steinmüller Engineering GmbHについては2026年9月28日に全持分の譲渡を決議し10月15日に完了、譲渡完了により発生見込みの127億円を当中間期のその他の費用に計上した。営業活動によるキャッシュ・フローは650億円の支出超過だった。
この企業のデータを見る
出典
IHI 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年11月4日) 一次資料(2026/11/06確認)。数値はこの資料の記載値です。