数字の要点
通期予想に対する進捗
中間期の売上収益1兆2,709億円 ÷ 上方修正後の通期予想2兆3,300億円
中間期のコア営業利益4,249億円 ÷ 上方修正後の通期予想(コア営業利益)7,000億円
中間期の親会社の所有者に帰属する中間利益2,417億円 ÷ 上方修正後の通期予想(親会社の所有者に帰属する当期利益)3,500億円
- 同社が収益力の指標とするコアベースでは、コア営業利益率が33.4%と前中間期の27.4%から大きく改善しました。増収に加え、費用管理の効果が利益率を押し上げたことが短信から読み取れます。
- 重点戦略製品の売上計は3,339億円↑ 前年同期比51.4%増と大きく伸びました。PADCEVが1,583億円(同54.5%増)、IZERVAYが562億円(同64.5%増)、VYLOYが459億円(同72.7%増)と、いずれも大幅な増収です。重点戦略製品以外の主力XTANDIも5,337億円(同11.9%増)でした。
- フルベースの営業利益(3,166億円)とコア営業利益(4,249億円)の差には、無形資産償却費712億8,000万円やその他の費用381億5,400万円が含まれます。その他の費用には、CYP17リアーゼ阻害剤ASP5541の開発中止に伴う無形資産減損損失264億円が計上されています。
- 為替変動は前年同期のレートを適用した場合と比べて売上収益を993億円、コア営業利益を412億円押し上げたとされています。通期予想の上方修正について短信は、PADCEVやミラベグロンなどの好調な進捗や為替の影響に加え、着実な費用管理の状況を反映したと説明しています。
アステラス製薬の2027年3月期中間期(2026年4月〜9月)の連結業績は、売上収益1兆2,709億円↑ 前年同期比23.4%増、税引前中間利益3,175億円(同63.1%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益2,417億円(同63.7%増)でした。利益については、同社が収益力の指標とするコアベースと、IFRSのフルベースの2つが開示されています。コア営業利益は4,249億円(同50.3%増)で、売上収益に対するコア営業利益率は33.4%(前中間期は27.4%)でした。一方、フルベースの営業利益は3,166億円(同58.8%増)です。基本的1株当たり中間利益は134.83円、基本的1株当たりコア中間利益は185.02円、親会社所有者帰属持分比率は56.2%(前期末は51.3%)でした。
製品別の動き
同社は単一セグメントのため、短信では主要製品の売上が億円単位で示されています。重点戦略製品の売上計は3,339億円↑ 前年同期比51.4%増で、内訳はPADCEVが1,583億円(同54.5%増)、IZERVAYが562億円(同64.5%増)、VYLOYが459億円(同72.7%増)、VEOZAHが307億円(同33.8%増)、XOSPATAが429億円(同24.5%増)でした。重点戦略製品以外の主力であるXTANDIは5,337億円(同11.9%増)です。地域別の売上収益は、米国が5,768億円(同26.2%増)、日本が1,608億円(同12.5%増)、エスタブリッシュドマーケットが3,040億円(同14.8%増)、チャイナが689億円(同38.5%増)、インターナショナルマーケットが1,542億円(同38.2%増)と、全ての地域で増収でした。
通期予想と配当
通期(2027年3月期)の業績予想は上方修正されました。フルベースでは売上収益2兆3,300億円(従来予想2兆2,200億円)、営業利益4,600億円(同3,950億円)、税引前利益4,500億円(同3,850億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益3,500億円(同3,000億円)です。コアベースでは売上収益2兆3,300億円、コア営業利益7,000億円(同6,200億円)、コア当期利益5,200億円(同4,600億円)となりました。中間期の進捗率は、売上収益が54.5%、コア営業利益が60.7%、親会社の所有者に帰属する利益が69.1%です。配当は中間40円、期末予想40円の年間80円で、配当予想の修正はありません。前期の年間実績78円からは2円の増配見込みです。
会社自身の説明
短信は、売上収益の増加について重点戦略製品(PADCEV、IZERVAY、VYLOY、VEOZAH、XOSPATA)の売上拡大が主な要因と説明しています。PADCEVは米国での浸透、IZERVAYは網膜専門医への浸透と治療率の向上、VYLOYは全地域での着実な浸透が進んだとされています。コアベースの内訳では、売上総利益が1兆230億円↑ 前年同期比23.3%増、販売費及び一般管理費が4,304億円(同6.6%増)で、コスト最適化による約100億円の抑制があった一方、為替が338億円の増加要因になったとしています。研究開発費は1,677億円(同17.0%増)で、コスト最適化による約80億円の抑制に対し、臨床開発費の増加約110億円と為替影響103億円があったと説明されています。フルベースのその他の費用には、ASP5541の開発中止に伴う無形資産減損損失264億円が含まれます。
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出典
アステラス製薬 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年11月4日) 一次資料(2026/11/05確認)。数値はこの資料の記載値です。