数字の要点
通期予想に対する進捗
第3四半期累計の売上高1兆6,626億円 ÷ 通期予想2兆2,000億円
第3四半期累計の営業利益929億円 ÷ 下方修正後の通期予想1,200億円
第3四半期累計の親会社の所有者に帰属する四半期純利益334億円 ÷ 通期予想400億円
- 通期予想は売上高22,000億円を据え置く一方、営業利益は1,500億円から1,200億円へ20.0%、税引前利益は1,240億円から820億円へ33.9%、親会社の所有者に帰属する当期純利益は770億円から400億円へ48.1%それぞれ下方修正されました。売上計画は維持しながら利益だけが大きく削られた形です。
- 会社は下方修正の理由として、オートモーティブの北米・欧州における製造コストの悪化、エッセンシャルケミカルズ東南アジアの原燃材料価格の上昇、建築ガラスの欧州・アジア、ライフサイエンスのバイオ医薬品CDMOにおける販売数量の未達を挙げています。純利益段階では、バイオ医薬品CDMOの米国コロラド拠点の売却に伴う固定資産売却損103億円(第3四半期累計の固定資産売却損104億円の内訳)が当初見込んでいなかった損失として加わりました。
- セグメントでは化学品が売上高5,144億円、営業利益437億円と最大の利益源である一方、ライフサイエンスは売上高980億円で営業損失126億円(前年同期は162億円の損失)と赤字が続きました。オートモーティブは増収(売上高4,174億円)ながら営業利益は154億円と前年同期の233億円から大きく減っています。
- 第3四半期累計のその他費用322億円には、事業構造改善費用162億円が含まれます。このうちAGC Chemicals Europeの英国拠点での生産終了に伴う費用が101億円で、構造改革コストが利益を押し下げました。一方、その他収益155億円には関係会社株式売却益109億円が含まれています。
AGCの2026年12月期第3四半期累計(2026年1月1日〜9月30日)の連結業績は、売上高1兆6,626億円↑ 前年同期比10.0%増、営業利益929億円(同2.1%減)、税引前四半期利益704億円(同3.9%減)、四半期純利益411億円(同13.9%減)、親会社の所有者に帰属する四半期純利益334億円(同15.4%減)でした。四半期包括利益は412億円(同127.0%増)、基本的1株当たり四半期純利益は157.59円です。親会社の所有者に帰属する持分比率は50.2%でした。営業利益の下には、その他収益155億円とその他費用322億円を差し引いた事業利益762億円が計上されています。
セグメント別の動き
セグメント別(外部顧客への売上高/営業利益)では、化学品が売上高5,145億円、営業利益437億円と最大の利益源で、前年同期(売上高4,282億円、営業利益397億円)から増収増益でした。電子は売上高2,690億円、営業利益339億円(前年同期は売上高2,584億円、営業利益360億円)と増収ながら微減益です。建築ガラスは売上高3,361億円、営業利益94億円(前年同期は売上高3,189億円、営業利益100億円)。オートモーティブは売上高4,174億円と増収でしたが、営業利益は154億円と前年同期の234億円から大きく減少しました。ライフサイエンスは売上高980億円、営業損失126億円で、前年同期の営業損失162億円からは赤字幅が縮小したものの損失が続いています。セラミックス・その他は売上高276億円、営業利益30億円でした。
通期予想の 下方修正と配当
通期(2026年12月期)の業績予想は、2026年2月6日公表分から修正されました。売上高は2兆2,000億円で据え置かれた一方、営業利益は1,500億円から1,200億円へ20.0%、税引前利益は1,240億円から820億円へ33.9%、当期純利益は900億円から490億円へ45.6%、親会社の所有者に帰属する当期純利益は770億円から400億円へ48.1%それぞれ下方修正され、基本的1株当たり当期純利益予想は188.55円となりました。修正後の予想は前期比で売上高6.9%増、営業利益5.9%減、親会社の所有者に帰属する当期純利益42.2%減です。配当は中間105.00円が実績で、期末予想105.00円とあわせた年間210.00円の予想に修正はなく、会社も「今回の業績予想の修正に伴う配当予想の修正はありません」と明記しています。
会社自身の説明
会社は業績予想修正の理由について、営業利益は「オートモーティブセグメントの北米・欧州における製造コストの悪化、エッセンシャルケミカルズ東南アジアにおける原燃材料価格の上昇、並びに建築ガラスセグメントの欧州・アジア及びライフサイエンスセグメントのバイオ医薬品CDMOにおける販売数量の未達等により、前回発表予想を下回る見通し」と説明しています。税引前利益以下については、これらの要因に加え、バイオ医薬品CDMOの米国コロラド拠点の売却に伴い、当初見込んでいなかった固定資産売却損を計上したことが響いたとしています。なお、第3四半期累計のその他費用には、AGC Chemicals Europeの英国拠点での生産終了決定に伴う費用101億円を含む事業構造改善費用163億円が計上されています。決算短信本体の経営成績の概況は、同日公表の決算説明会資料を参照する形式となっています。
財政状態では、資産合計が2兆9,431億円、資本合計が1兆7,017億円で、親会社の所有者に帰属する持分は1兆4,785億円でした。キャッシュ・フローは、営業活動による収入が1,501億円、投資活動による支出が1,208億円、財務活動による支出が325億円で、現金及び現金同等物の四半期末残高は928億円です。第3四半期累計の減損損失は11億円と前年同期の92億円から縮小しましたが、事業構造改善費用に含まれる減損損失50億円が別途計上されています。
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出典
AGC 2026年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年11月5日) 一次資料(2026/11/06確認)。数値はこの資料の記載値です。