オリックスと三菱HCキャピタルの違い
一言でいうと: リースを起点に10事業へ広げたオリックスと、三菱UFJ系の総合リース・三菱HCキャピタル
オリックスは2025年3月期に営業収益2兆8,748億円・当期純利益3,516億円、三菱HCキャピタルは2026年3月期に売上高2兆2,154億円・当期純利益1,622億円と、対象期が1期ずれる点に注意が必要です。ROEはオリックス8.8%、三菱HCキャピタル8.6%と近接し、時価総額は2026年10月30日時点でオリックス6兆5,715億円が三菱HCキャピタル1兆8,811億円の約3.5倍です。
なぜこの2社を比べるのか: リースを起点とする総合金融の2社です。オリックスは法人営業から事業投資、保険、輸送機器、海外まで10セグメントに広げ、三菱HCキャピタルは航空・物流・不動産など専門アセットを掲げます。ただし両社のレコードの対象期はオリックスが2025年3月期、三菱HCキャピタルが2026年3月期とずれており、その前提で規模と事業の広がりを比べます。
オリックスの事業の仕組み
オリックスの事業は法人営業・メンテナンスリース、不動産、事業投資・コンセッション、環境エネルギー、保険、銀行・クレジット、輸送機器、ORIX USA、ORIX Europe、アジア・豪州の10セグメントです。米国基準のため営業利益は扱わず、セグメント利益で示します。2025年3月期は事業投資、空港等のコンセッションを含む事業投資・コンセッションが989億円(989億円)で最大、法人向けリース・金融や自動車関連を含む法人営業・メンテナンスリースが903億円(903億円)でした。
生命保険の保険セグメントは744億円(744億円)、不動産開発・賃貸や施設運営の不動産は705億円(705億円)、航空機・船舶関連の輸送機器は674億円(674億円)と、国内の複数事業が近い規模で並びます。海外ではORIX Europe444億円、ORIX USA399億円、アジア・豪州345億円、銀行・クレジットは293億円です。再生可能エネルギー等の環境エネルギーはマイナス49億円と赤字でした。連結子会社はVIE・SPEを含め1,163社、持分法適用関連会社は124社にのぼります。
三菱HCキャピタルの事業の仕組み
三菱HCキャピタルは、三菱UFJフィナンシャル・グループ系の総合リース・ファイナンス会社です。国内法人向けのリース・ファイナンスやソリューションを提供するカスタマーソリューション事業、再生可能エネルギー発電や省エネルギー関連の環境エネルギー事業、航空機リース・航空機エンジンリースの航空事業、海上コンテナ・鉄道貨車などのロジスティクス事業、不動産リース・不動産ファイナンスの不動産事業、米州・欧州・アジアなど海外顧客向けの海外カスタマー事業を展開します。
レコードでは航空事業がセグメント利益で最大級の事業とされていますが、2026年3月期のセグメント別の売上高・セグメント利益の正確値は未確認のため収録されていません。そのためオリックスのように事業別の利益金額を並べることはできず、事業構成は事業の内容の記述で読む形になります。全社の数字は2026年3月期で売上高2兆2,154億円(2兆2,154億円)、営業利益2,404億円(2,404億円)、経常利益2,361億円です。
| 項目 | オリックス | 三菱HCキャピタル |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆8,748億円(2025年3月期) | 2兆2,154億円(2026年3月期) |
| 営業利益 | —(未確認) | 2,404億円(2026年3月期) |
| 営業利益率 | —(未確認) | 10.9%(2026年3月期) |
| 当期利益 | 3,516億円(2025年3月期) | 1,622億円(2026年3月期) |
| 時価総額 | 6兆5,715億円(2026-10-30時点) | 1兆8,811億円(2026-10-30時点) |
| PER | 12.1倍(2026-10-30時点) | 13.79倍(2026-10-30時点) |
| ROE | 8.8%(2025年3月期) | 8.6%(2026年3月期) |
| 自己資本比率 | 24.2%(2025年3月期) | 15.2%(2026年3月期) |
| 有利子負債 | 6兆2,828億円(2025年3月期) | —(未確認) |
| 現金及び現金同等物 | 1兆2,066億円(2025年3月期) | 3,460億円(2026年3月期) |
| 年間配当 | 120.01円(2025年3月期) | 46円(2026年3月期) |
| 配当利回り | 3.2%(2026-10-30時点) | 3.51%(2026-10-30時点) |
| 平均年収 | 976万円(2025年3月期(提出会社単体の平均年間給与)) | —(未確認) |
| 平均年齢 | 44.2歳(2025年3月期(提出会社単体)) | —(未確認) |
| 平均勤続年数 | 16.2年(2025年3月期(提出会社単体)) | —(未確認) |
| 従業員数(連結) | 33,982人(連結従業員数(2025年3月期)) | —(未確認) |
| 決算月 | 3月 | 3月 |
| 創業 | 1964年4月17日 | —(未確認) |
| 本社 | 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿易センタービル南館 | —(未確認) |
| 証券コード | 8591 | 8593 |
対象期は原則としてオリックスが2025年3月期、三菱HCキャピタルが2026年3月期の数値です。
売上高
営業利益
営業利益率
当期利益
時価総額
PER
ROE
自己資本比率
有利子負債
現金及び現金同等物
年間配当
配当利回り
平均年収
平均年齢
平均勤続年数
従業員数(連結)
決算月
創業
本社
証券コード
グラフで比べる
2社の違いを読み解く
オリックスは10セグメント体制です。2025年3月期のセグメント利益は事業投資・コンセッションが989億円で最大、法人営業・メンテナンスリースが903億円、保険が744億円、不動産が705億円、輸送機器が674億円と続きます。海外はORIX Europe444億円、ORIX USA399億円、アジア・豪州345億円で、3セグメントの合計は1,187億円です。一方、環境エネルギーはセグメント利益がマイナス49億円と、10セグメントの中で赤字の区分も含まれます。
三菱HCキャピタルは三菱UFJフィナンシャル・グループ系の総合リース・ファイナンス会社で、カスタマーソリューション、環境エネルギー、航空、ロジスティクス、不動産、海外カスタマーなどの事業を展開します。レコードでは航空事業がセグメント利益で最大級の事業とされますが、2026年3月期のセグメント別の売上高・セグメント利益の正確値は未確認のため収録されておらず、事業別の金額での比較はできません。全社では2026年3月期に売上高2兆2,154億円、営業利益2,404億円を計上しています。
成り立ちでは、オリックスが1964年にオリエント・リース株式会社として設立され、1989年にオリックス株式会社に商号変更してリースの枠を超えて広げてきたのに対し、三菱HCキャピタルは合併の積み重ねで生まれました。1969年のセントラルリース設立、1971年のダイヤモンドリース設立を起点に、2007年に三菱UFJリース&ファイナンスとなり、2021年に日立キャピタルと合併して現在の三菱HCキャピタルになりました。自らの展開で多角化した会社と、統合で規模を作った会社の違いがあります。
稼ぎ方の見え方も異なります。オリックスは米国基準で営業利益を扱わず、セグメント利益と税引前当期純利益4,805億円(2025年3月期)で読みます。三菱HCキャピタルは日本基準で営業利益2,404億円、営業利益率10.9%(2026年3月期)が開示されます。ROEはオリックス8.8%(2025年3月期)、三菱HCキャピタル8.6%(2026年3月期)と近接しますが、対象期が1期ずれるため、同じ期の優劣として読むことはできません。
違いのポイント
- オリックスの2025年3月期セグメント利益は事業投資・コンセッション989億円が最大で、環境エネルギーはマイナス49億円の赤字区分がある
- オリックスの海外3セグメント(ORIX Europe・ORIX USA・アジア・豪州)のセグメント利益合計は1,187億円(2025年3月期)
- 三菱HCキャピタルは2026年3月期に売上高2兆2,154億円・営業利益2,404億円で、営業利益率は10.9%
- 両社のレコードの対象期はオリックス2025年3月期、三菱HCキャピタル2026年3月期と1期ずれている
- 三菱HCキャピタルのセグメント別数値はレコードで未確認のため、事業別の金額比較はできない
財務と株主還元
規模では、オリックスの2025年3月期の営業収益は2兆8,748億円(2兆8,748億円)、当社株主に帰属する当期純利益は3,516億円(3,516億円)でした。三菱HCキャピタルの2026年3月期の売上高は2兆2,154億円(2兆2,154億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,622億円(1,622億円)です。対象期が1期ずれるため単純な優劣の断定はできませんが、収録期の金額ではオリックスが上回ります。総資産はオリックス16兆8,663億円(2025年3月期)、三菱HCキャピタル13兆896億円(2026年3月期)、自己資本比率はオリックス24.2%、三菱HCキャピタル15.2%、ROEはオリックス8.8%、三菱HCキャピタル8.6%です。
株主還元と市場評価では、年間配当はオリックスが120.01円(2025年3月期、配当性向39.0%)、三菱HCキャピタルが46円(2026年3月期、同40.7%)と配当性向は近接します。2026年10月30日時点のスナップショットでは、時価総額はオリックス65,715億円が三菱HCキャピタル18,811億円の約3.5倍、PERはオリックス12.1倍、三菱HCキャピタル13.79倍、配当利回りは三菱HCキャピタル3.51%がオリックス3.2%を上回ります。業績予想は両社とも当期純利益のみの開示で、オリックスは2026年3月期に3,800億円、三菱HCキャピタルは2027年3月期に1,600億円を見込み、三菱HCキャピタルは2027年3月期の配当51円への増配も予想しています。
人と組織
人と組織では、オリックスの連結従業員数は33,982人(2025年3月期)です。提出会社単体の平均年間給与は9,761,606円(約976万円)、平均年齢44.2歳、平均勤続年数16.2年、単体従業員数は2,927人と開示されています。一方、三菱HCキャピタルのレコードには平均年間給与、平均年齢、連結従業員数の収録値がないため、人の数字での両社の比較はできません。この点は欠落として明記し、推測で補うことはしません。
沿革から見る現在地
オリックスは1964年4月17日にオリエント・リース株式会社として設立されました。登記上の設立は1950年3月28日ですが、これは額面変更のための合併によるもので、実質的な創業は1964年のオリエント・リース設立としています。1989年にオリックス株式会社へ商号変更し、現在の10セグメント体制に広がりました。長期目標として2035年3月期にROE15%・当期純利益1兆円を掲げ、中間目標として2028年3月期のROE11%を設定しています。
三菱HCキャピタルの歩みは合併の連続です。1969年にセントラルリースが設立され(旧三菱UFJリース&ファイナンスの前身)、1971年にダイヤモンドリースが設立、1999年にダイヤモンドリースと菱信リースが合併しました。2007年にダイヤモンドリースとUFJセントラルリースが合併して三菱UFJリース&ファイナンスへ社名変更し、2021年に三菱UFJリース&ファイナンスと日立キャピタルが合併して三菱HCキャピタルになりました。1964年の創業から自ら事業を広げたオリックスと、金融グループ同士の統合で現在の形になった三菱HCキャピタルという対照があります。
読むときの注意点
- 最も注意が必要なのは対象期のずれです。オリックスの実績は2025年3月期(米国基準)、三菱HCキャピタルの実績は2026年3月期(日本基準)で、会計基準も異なります。金額の大小は収録期同士の対照として読み、同じ期の順位として扱わないでください。またオリックスは金融業のため営業利益を扱っておらず、営業利益2,404億円・営業利益率10.9%は三菱HCキャピタル側だけの指標です。
- 三菱HCキャピタルのセグメント別数値と人の数字(平均年間給与・従業員数)はレコードに収録がなく、この原稿でも事業別金額や年収の比較は行っていません。時価総額・PER・配当利回りは2026年10月30日時点のスナップショットであり、三菱HCキャピタルの時価総額は株価と発行済株式数から算出した算出値とレコードに注記されています。
まとめ
まとめると、収録期の金額では営業収益・当期純利益・時価総額でオリックスが大きく、ROEは8.8%と8.6%で近接する2社です。オリックスは10セグメントの利益内訳まで開示され、赤字の環境エネルギーを含む多角化の姿が見える一方、三菱HCキャピタルは営業利益率10.9%が示されるものの事業別の金額はレコードで未確認です。対象期が1期ずれる前提を置いたうえで、多角化の広がりと専門アセット型の構成の違いを読む比較です。
数字の出典と確認日は各社の企業ページに記載しています(この比較の確認日: 2026/11/05)。