数字の要点

売上収益5兆8,442億円​↑ 前年同期比+26.1%
事業利益3,074億円​↑ 前年同期比+35.1%
営業利益3,074億円前年同期は△​28億円の赤字(当期は事業再編損ゼロのため事業利益と同額)
親会社の所有者に帰属する中間利益2,630億円前年同期は△​1,134億円の赤字
通期の当期利益予想4,400億円前回予想​2,900億円から上方修正

通期予想に対する進捗

売上収益の進捗50.0%

中間期の売上収益​5兆8,442億円 ÷ 通期予想​11兆7,000億円

事業利益の進捗42.7%

中間期の事業利益​3,074億円 ÷ 通期予想​7,200億円

中間利益の進捗59.8%

中間期の親会社の所有者に帰属する中間利益​2,630億円 ÷ 通期予想​4,400億円

読み解きのポイント
  • 中間期の親会社の所有者に帰属する中間利益は​2,630億円で、前年同期の△​1,134億円の赤字から黒字に転じました。前年中間期にはAM/NS Calvertの持分譲渡影響等による事業撤退損失を含む事業再編損△​2,304億円が計上され、営業利益は△​28億円でしたが、当期は事業再編損がゼロのため営業利益は事業利益と同額の​3,074億円となっています。
  • 通期予想の上方修正では、売上収益が従来予想の​11兆2,000億円から​11兆7,000億円へ​5,000億円(4.5%)引き上げられ、事業利益は​6,300億円から​7,200億円へ​900億円(14.3%)引き上げられ、当期利益は​2,900億円から​4,400億円へ​1,500億円(51.7%)引き上げられました。会社は修正の理由として、国内グループ会社の収益改善や地産地消型事業の強化等による海外事業の収益拡大に加え、United States Steel CorporationでのBig River 2設備投資に係るアーカンソー州税額控除の一過性影響+​961億円を挙げています。
  • 実力ベース事業利益(補足説明資料)では、上期は​3,133億円で前年同期の​3,457億円から​323億円減少しました。内訳は国内が​1,452億円(前年同期2,578億円)で​1,126億円減少した一方、海外は​1,681億円(同878億円)で​803億円増加し、うちU.S. Steel(NSSK含む)は​990億円(同222億円)でした。会社は、国内事業は原燃料価格のさらなる上昇に対する紐付き分野での価格反映の時期ずれや台風・豪雨影響等で厳しい状況が継続した一方、U.S. Steelがグループの稼ぎ頭として業績を力強く牽引したと説明しています。
  • 配当は中間​12円が決まり、期末予想​12円とあわせて年間​24円の予想は2026年8月4日公表から変更ありません。前期実績は中間​60円(株式分割前)、期末​12円(分割後)で、年間合計は短信で「-」と表示されています(2025年10月1日を効力発生日とする​1株を​5株とする株式分割を実施済みで、分割を考慮した場合の年間合計は​24円)。なお本日に自社株買いの発表はありませんでした。

日本製鉄の2027年3月期中間期(2026年4月1日〜9月30日)の連結業績は、売上収益​5兆8,442億円​↑ 前年同期比26.1%増、事業利益​3,074億円(同35.1%増)、営業利益​3,074億円(前年同期は△28億円の赤字)、税引前利益​2,470億円(前年同期は△301億円)、中間利益​2,791億円(前年同期は△989億円)、親会社の所有者に帰属する中間利益​2,630億円(前年同期は△1,134億円)でした。基本的​1株当たり中間利益は​50.32円(希薄化後​44.02円、前年同期はともに△​21.69円)です。前年中間期にはAM/NS Calvertの持分譲渡影響等による事業撤退損失を含む事業再編損△​2,304億円が計上されており、当期は事業再編損がゼロのため営業利益は事業利益と同額になっています。通期(2027年3月期)の業績予想は上方修正され、売上収益​11兆7,000億円​↑ 前期比16.3%増、事業利益​7,200億円(同40.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益​4,400億円(前期実績172億円)、基本的​1株当たり当期純利益予想​84.00円となりました。従来予想(2026年8月4日公表)は売上収益​11兆2,000億円、事業利益​6,300億円、当期利益​2,900億円、​1株当たり当期利益​55.00円でした。中間期実績の上方修正後の通期予想に対する進捗率は、売上収益​50.0%、事業利益​42.7%、中間利益​59.8%です(進捗率は当サイトの計算)。

セグメント別の動き

セグメント別(短信のセグメント情報)では、製鉄事業が外部顧客への売上収益​5兆3,855億円(前年同期4兆2,214億円)、セグメント利益(事業利益)​2,766億円(同2,018億円)で全体の大部分を占めました。エンジニアリング事業は売上収益​1,563億円(同1,341億円)、セグメント利益​232億円(同176億円)、ケミカル&マテリアル事業は売上収益​1,468億円(同1,188億円)、セグメント利益​224億円(同98億円)、システムソリューション事業は売上収益​1,556億円(同1,613億円)、セグメント利益​75億円(同74億円)でした。セグメント利益の合計は​3,298億円(前年同期2,367億円)で、調整額△​223億円(日鉄興和不動産の持分法投資利益​16億円、セグメント間取引消去等△​239億円を含む)を差し引いて連結事業利益​3,074億円となります。なお短信にセグメント別の前年同期比(%)の記載はないため、本記事では前年同期の数値を併記するにとどめています。

補足説明資料の通期セグメント見通し(億円、売上収益/事業利益)は、製鉄事業108,500/6,340、システムソリューション事業4,190/490、ケミカル&マテリアル事業3,200/340、エンジニアリング事業3,700/230、調整額△2,590/△200、合計117,000/7,200です。2025年度実績は製鉄事業92,217/4,399、システムソリューション事業3,828/433、ケミカル&マテリアル事業2,579/219、エンジニアリング事業3,944/231でした。同資料の実力ベース事業利益(億円)では、上期は​3,133億円で2025年上期の​3,457億円から​323億円減少し、8月4日公表の上期見通し​2,500億円に対しては​633億円上回りました。内訳は国内​1,452億円(前年同期2,578億円)、海外​1,681億円(同878億円)で、うちU.S. Steel(NSSK含む)は​990億円(同222億円)でした。

配当・株主還元

配当は中間​12.00円が決まり、期末予想​12.00円とあわせて年間​24.00円の予想は2026年8月4日公表から変更ありません(短信の配当予想からの修正の有無:無)。前期実績は第2四半期末​60.00円(株式分割前)、期末​12.00円(分割後)で、年間合計は短信で「-」と表示されています。2025年10月1日を効力発生日として​1株を​5株とする株式分割を実施済みで、分割を考慮した場合の年間合計は​24円です。配当支払開始予定日は2026年12月4日です。補足説明資料では、2026年度の年間配当について、第1四半期決算発表時(2026年8月4日)に公表したとおり、中長期経営計画で導入した下限配当等を踏まえ、​1株につき​24円を予定するとしています。なお、本日に自社株買いの発表はありませんでした。同日には2029年満期・2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の転換価額の調整に関するお知らせ(定例的な転換価額調整)も開示されています。

会社自身の説明

補足説明資料で会社は、上期の実績について、国内事業は「原燃料価格のさらなる上昇に対する紐付き分野での価格反映の時期ずれに加え、台風・豪雨影響等により、厳しい状況が継続」した一方、「米国市場の有望性を見据えた U. S. Steel 買収による地産地消型事業の強化が奏功しており、U. S. Steel がグループの稼ぎ頭として当社業績を力強く牽引」したと説明しています。通期の上方修正の理由として、業績予想の修正に関するお知らせは「前回公表に対して、国内グループ会社の収益改善や、地産地消型事業の強化等による海外事業の収益拡大に加え、United States Steel Corporation での Big River 2 設備投資に係るアーカンソー州税額控除の一過性影響+​961億円により、2027年3月期通期の親会社の所有者に帰属する当期利益は​4,400億円となる見通しです」としています。中間期の8月4日公表予想値との差異(売上収益​5兆6,000億円→​5兆8,442億円、事業利益​2,600億円→​3,074億円、親会社の所有者に帰属する中間利益​1,200億円→​2,630億円)についても、同じ一過性影響を含む理由が示されています。

経営環境について補足説明資料は、「世界全体では AI や電力分野が引き続き需要を牽引し、国内では鋼材需要が低水準で推移するも、建築分野等では需要回復につながる兆候もみられる。中東情勢の長期化による影響も顕在化するなど、政治・経済情勢は依然不安定である。中国における内需の構造的減少と過剰生産能力、新興国における能力拡大等を背景に、供給過剰構造は継続している」「各国・地域における通商措置や経済ブロック化が進展し、通商政策や需要環境の違いを背景に、市況の二極化が進んでいる」としています。下期の方針として、国内は「さらなる追加値上げも含めた価格反映を強力に推進しつつ、台風・豪雨影響(生産出荷)のリカバリーに努める」とし、U.S. Steelは「2026年度の実力ベース事業利益 ​2,300億円以上を見込んでおり、2030年度の目標 ​3,000億円以上を早期に実現すべく、収益改善施策に継続取組み中」としています。国内の実力ベース事業利益が前年同期比​1,126億円減少した内訳は、生産出荷△​100億円、マージン(為替影響含む)△​1,430億円、コスト改善+​300億円、その他△​30億円、鉄グループ会社+​10億円、非鉄​3社+​130億円で、海外はU.S. Steel +​770億円、海外製鉄事業+​670億円、原料事業+​130億円などが寄与しました。その他の会社諸元(補足説明資料)では、連結粗鋼生産量は上期2,855万トン(前年同期2,293万トン)、単独粗鋼生産量1,722万トン、鋼材出荷量1,525万トン(同1,547万トン)、鋼材価格​145.8千円/トン(同138.6千円/トン)、為替​160円/ドル(同146円/ドル)でした。財政状態は資産合計​15兆3,449億円、資本合計​6兆2,791億円、親会社の所有者に帰属する持分​5兆7,903億円、親会社所有者帰属持分比率​37.7%(2026年3月期末も37.7%)です。半期報告書の提出予定日は2026年11月9日です。

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出典

日本製鉄 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年11月5日) 一次資料(2026/11/05確認)。数値はこの資料の記載値です。