数字の要点
通期予想に対する進捗
中間期の売上収益1,819億円 ÷ 通期予想4,000億円
中間期の営業利益363億円 ÷ 通期予想800億円
中間期の親会社の所有者に帰属する中間利益200億円 ÷ 通期予想530億円
- 売上収益は6.4%増と増収でしたが、営業利益は1.0%増にとどまりました。法人所得税費用が114億円から140億円へ増えたことで、中間利益は10.7%減、親会社の所有者に帰属する中間利益は11.9%減となっています。
- 通期予想は売上収益4,000億円、営業利益800億円、親会社の所有者に帰属する当期利益530億円で据え置かれました。中間期の期初予想(売上収益1,920億円、営業利益370億円、親会社の所有者に帰属する中間利益240億円)には届かなかったものの、会社は通期予想を修正していません。進捗率は親会社の所有者に帰属する中間利益で37.7%です(進捗率は当サイトの計算)。
- セグメントでは明暗が分かれました。海外(売上収益+10.7%、セグメント利益+10.4%)とペイシェントソリューション(同+10.5%、同+90.7%)が伸びた一方、サイトソリューションは増収も診療報酬改定に伴う単価低下と先行投資で45.1%減益、エビデンスソリューションも前年の大型案件の剥落で減収減益でした。
- 配当予想額は未定です。中間配当は0円で、会社は資金需要動向とキャッシュ・フローの状況を勘案して株主配当の水準を決定する予定としています。
エムスリーの2027年3月期中間期(2026年4月1日〜9月30日)の連結業績は、売上収益1,819億円↑ 前年同期比6.4%増、営業利益363億円(同1.0%増)、税引前中間利益366億円(同0.2%減)、中間利益226億円(同10.7%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益200億円(同11.9%減)でした。基本的1株当たり中間利益は29.98円です。第1四半期決算短信で示された中間期の業績予想(売上収益1,920億円、営業利益370億円、親会社の所有者に帰属する中間利益240億円)には届きませんでしたが、通期(2027年3月期)の業績予想は売上収益4,000億円↑ 前期比13.8%増、営業利益800億円(同8.8%増)、税引前利益810億円(同6.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益530億円(同7.9%増)で据え置かれ、業績予想の修正はありません。中間期実績の通期予想に対する進捗率は、売上収益45.5%、営業利益45.4%、親会社の所有者に帰属する中間利益37.7%です(進捗率は当サイトの計算)。
セグメント別の動き
メディカルプラットフォームは売上収益544億円↑ 前年同期比4.6%増、セグメント利益185億円(同3.5%増)でした。2026年7月に連結を開始した株式会社ワイズマンの新規連結効果に加え、電子カルテ等を提供する医療現場のDX化支援が堅調に推移しました。利益率の高い製薬マーケティング支援事業の売上は減った一方、医療機関向けの支援事業で減損損失の戻入を計上したことなどが利益を支えました。エビデンスソリューションは売上収益117億円(同3.8%減)、セグメント利益20億円(同15.3%減)で、前年同期にあった収益性の高い案件や大型案件の貢献が剥落しました。キャリアソリューションは売上収益127億円(同3.7%減)と、薬剤師向けの派遣サービスを中心に減収でしたが、収益ミックスの改善によりセグメント利益は44億円(同2.2%増)と増えました。サイトソリューションは売上収益287億円(同9.3%増)と伸びたものの、ホスピス事業における診療報酬改定に伴う単価低下や、新規開設に向けた先行投資費用の増加で、セグメント利益は9億円(同45.1%減)と大きく減りました。ペイシェントソリューションは売上収益302億円(同10.5%増)、セグメント利益20億円(同90.7%増)で、CSセットの新規契約獲得による利用者の増加に加え、患者衣の会計上の取扱いの変更や投資関連の一過性利益が寄与しました。海外は売上収益454億円(同10.7%増)、セグメント利益99億円(同10.4%増)で、先行投資を積極的に実施した一方、円安による追い風と収益ミックスの改善が利益を押し上げました。
配当・株主還元
配当は中間0.00円です。2027年3月期の配当予想額は未定で、会社は「今後の資金需要動向とキャッシュ・フローの状況とを勘案し、株主配当の水準を決定する予定」としています。前期(2026年3月期)の配当は中間0.00円・期末22.00円の年間22.00円でした。なお、当中間期には自己株式の取得35億円と剰余金の配当147億円による株主還元が行われました。
財務面の補足
財政状態では、資産合計は6,584億円と前連結会計年度末から210億円増えました。新規連結子会社の取得により、のれんが179億円、無形資産が196億円増加したことが主因です。資本合計は4,453億円で、親会社所有者帰属持分比率は61.8%でした。損益面では、税引前中間利益が↓ 前年同期比0.2%減とほぼ横ばいだったのに対し、法人所得税費用が114億円から140億円へ増えたことが、中間利益の10.7%減の一因となっています。
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出典
エムスリー株式会社 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年11月4日) 一次資料(2026/11/06確認)。数値はこの資料の記載値です。